論点解説

ドローンのカテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲ飛行の違い|レベル分類との関係と必要な手続き

ドローン(無人航空機)の飛行形態は、そのリスクに応じて「カテゴリーⅠ」「カテゴリーⅡ」「カテゴリーⅢ」の3つに分類されます。カテゴリーによって必要な機体認証・技能証明・手続きが異なるため、ドローン学科試験では頻出の論点です。本記事では3つのカテゴリーの定義、レベル分類との関係、必要な手続きまでを教則に沿って整理します。

カテゴリー分類の全体像

カテゴリー分類は、特定飛行に該当するかどうか、および立入管理措置(第三者の立入りを管理する措置)を講じるかどうかで決まります。

カテゴリー特定飛行立入管理措置
該当しない
該当する講じる
該当する講じない

根拠:教則 3.1.2(2)3)

カテゴリーⅠ飛行

特定飛行に該当しない飛行を「カテゴリーⅠ飛行」といいます。レベル1(目視内での操縦飛行)およびレベル2(目視内での自動・自律飛行)が該当します。

航空法上は特段の手続きは不要で飛行可能です(ただし機体登録・リモートID等、特定飛行と無関係の規制は別途遵守)。

カテゴリーⅡ飛行

特定飛行のうち、立入管理措置を講じて行うものを「カテゴリーⅡ飛行」といいます。レベル3(無人地帯での目視外飛行)に対応します。

カテゴリーⅡA と ⅡB の区別

カテゴリーⅡA飛行(リスク高)

空港周辺、高度150m以上、催し場所上空、危険物輸送および物件投下、最大離陸重量25kg以上の無人航空機の飛行。リスクが高いため、技能証明と機体認証に加えて飛行の許可・承認が必要。

カテゴリーⅡB飛行

カテゴリーⅡAに該当しないカテゴリーⅡ飛行。技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合は特段の手続きなく飛行可能(飛行マニュアルの作成・遵守は必要)。

レベル3.5飛行

2023年12月に新設された飛行形態で、機上カメラによる確認、技能証明の保有、保険への加入を条件に、補助者の配置や看板の設置等の立入管理措置を機上カメラでの確認に代替できます。カテゴリーⅡ飛行(レベル3飛行)に該当し、移動中の車両等の上空の一時的な横断が可能になる一方、第三者(歩行者等)の上空飛行を認めるものではない点に注意が必要です。

根拠:教則 3.1.2(2)3)b.、3.1.2(2)4)c.

カテゴリーⅢ飛行

特定飛行のうち立入管理措置を講じないで行うもの、すなわち第三者上空における特定飛行を「カテゴリーⅢ飛行」といいます。レベル4(有人地帯での目視外飛行)に対応し、最もリスクが高い飛行形態です。

実施には一等無人航空機操縦士の技能証明と第一種機体認証に加え、あらかじめ運航管理の方法について国土交通大臣の審査を受け、飛行の許可・承認を受ける必要があります。

根拠:教則 3.1.2(2)3)c.、3.1.2(2)5)b. 詳しくは一等と二等の違いの記事を参照してください。

レベル分類との関係

「レベル」は飛行の技術的な到達段階を示す分類で、カテゴリー分類とは観点が異なるため、両者は厳密には一致しない場合があります。

レベル1目視内での操縦飛行(カテゴリーⅠ)
レベル2目視内での自動・自律飛行(カテゴリーⅠ)
レベル3無人地帯での目視外飛行(カテゴリーⅡ)
レベル3.5機上カメラで立入管理を代替する飛行(カテゴリーⅡ)
レベル4有人地帯での目視外飛行(カテゴリーⅢ)

カテゴリー別に必要なもの

カテゴリー技能証明機体認証飛行の許可・承認
不要不要不要
ⅡB二等(または飛行の許可・承認で代替可)第二種(または飛行の許可・承認で代替可)技能証明+機体認証があれば不要
ⅡA二等第二種必要
一等第一種必要

根拠:教則 3.1.2(2)4)、3.1.2(2)5)。カテゴリーⅡA・ⅡBでは、機体認証および技能証明がなくても、あらかじめ国土交通大臣の審査を受けて飛行の許可・承認を受ければ飛行可能です。

よくある質問

Q

カテゴリーⅡAとⅡBの違いは何ですか?

カテゴリーⅡ飛行のうち、空港周辺、高度150m以上、催し場所上空、危険物輸送および物件投下、最大離陸重量25kg以上の無人航空機の飛行は、特にリスクが高いため「カテゴリーⅡA飛行」と区分されます。それ以外のカテゴリーⅡ飛行が「カテゴリーⅡB飛行」です。

Q

レベル3.5飛行はどのカテゴリーに含まれますか?

レベル3.5飛行は、立入管理措置を機上カメラによる確認で代替する飛行で、カテゴリーⅡ飛行(レベル3飛行)に該当します。カテゴリーⅢ(レベル4)のように第三者上空の飛行を認めるものではありません。

Q

カテゴリーⅠ飛行なら本当に何の手続きも不要ですか?

カテゴリーⅠ飛行(特定飛行に該当しない飛行)は、航空法上は特段の手続きなく飛行可能です。ただし機体登録、リモートID搭載、小型無人機等飛行禁止法の重要施設上空の禁止など、特定飛行とは別の規制は遵守する必要があります。

Q

カテゴリーⅢ飛行には何が必要ですか?

一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が、第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させることに加え、あらかじめ運航管理の方法について国土交通大臣の審査を受け、飛行の許可・承認を受ける必要があります。

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出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和7年2月1日第4版)」を根拠に記述しています。最新・正確な情報は同教則および公式サイトをご確認ください。