制度解説

ドローン国家資格 一等と二等の違い|対応カテゴリー・試験範囲・制度上の違い

ドローンの国家資格(無人航空機操縦士の技能証明)は「一等」と「二等」の2種類に区分されています。両者の違いは、教則上対応するカテゴリー飛行、機体認証の種類、試験などにあります。本記事では、教則に基づいて一等と二等の違いを体系的に整理します。

ドローン国家資格の根本的な違い:対応するカテゴリー飛行

一等と二等は、対応するカテゴリー飛行のリスク水準によって区分されています。

一等

一等無人航空機操縦士

カテゴリーⅢ飛行(第三者上空における特定飛行・レベル4)に必要な技能に対応。第一種機体認証や許可・承認と組み合わせて、カテゴリーⅢ飛行で前提となる資格です。

二等

二等無人航空機操縦士

カテゴリーⅡ飛行(立入管理措置を講じた特定飛行)に必要な技能に対応。第二種機体認証や許可・承認との関係を理解するうえで基礎となる資格です。

根拠:教則 3.1.2(2)4)。機体認証の有効期間は第一種が1年、第二種が3年です。

教則上の対応関係

教則が明示しているのは、一等・二等がそれぞれどのカテゴリー飛行に必要な技能に係る資格かという対応関係です。実際の飛行可否は、機体認証や許可・承認など他の要件も合わせて判断します。

飛行形態二等一等
カテゴリーⅠ飛行(特定飛行に非該当)技能証明は必須ではない技能証明は必須ではない
カテゴリーⅡ飛行必要な技能に係る資格教則上の直接対応ではない
カテゴリーⅢ飛行(第三者上空)×必要な技能に係る資格

根拠:教則 3.1.2(2)4)、3.1.2(2)5)。カテゴリーⅢ飛行は一等無人航空機操縦士+第一種機体認証+運航管理の許可承認が必要です。

資格の限定(共通の仕組み)

一等・二等のそれぞれの資格では、無人航空機の種類(6種類)および飛行の方法(3種類)について限定が設けられています。

無人航空機の種類の限定(6種類)

  • 回転翼航空機(マルチローター)/重量制限なし
  • 回転翼航空機(マルチローター)/最大離陸重量25kg未満
  • 回転翼航空機(ヘリコプター)/重量制限なし
  • 回転翼航空機(ヘリコプター)/最大離陸重量25kg未満
  • 飛行機/重量制限なし
  • 飛行機/最大離陸重量25kg未満

パワードリフト機(Powered-lift)は、回転翼航空機(マルチローター)と飛行機の両方の限定が必要です。

飛行の方法の限定(3種類)

  • 昼間(日中)飛行 ・ 目視内飛行
  • 昼間(日中)飛行
  • 目視内飛行

根拠:教則 3.1.2(5)1)

試験制度

技能証明を受けようとする者は、指定試験機関(国が指定した民間の試験機関)が実施する次の3つに合格する必要があります。

  • 学科試験:教則を根拠とする筆記試験。学科試験に合格しなければ実地試験を受けることができません。
  • 実地試験:操縦技能を判定する試験。登録講習機関の無人航空機講習(学科講習・実地講習)を修了した場合は免除可能。
  • 身体検査:視力・聴力などの身体状態を確認する検査。

根拠:教則 3.1.2(5)3)。16歳未満は申請不可です。詳細な試験概要・受験手続きは学科試験ガイドを参照してください。

有効期間と更新

技能証明の有効期間は、一等・二等ともに3年です。

更新を申請する者は、登録更新講習機関が実施する無人航空機更新講習を、更新申請日以前3月以内に修了したうえで、有効期間が満了する日以前6月以内に国土交通大臣に対して更新を申請する必要があります。

根拠:教則 3.1.2(5)3)

違いのまとめ

項目一等二等
教則上の対応資格カテゴリーⅢ飛行に必要な技能に係る資格カテゴリーⅡ飛行に必要な技能に係る資格
対応する機体認証第一種(有効期間1年)第二種(有効期間3年)
学科試験の範囲教則の全範囲教則の〔一等〕項目を除く
技能証明の有効期間3年3年
年齢要件16歳以上16歳以上

根拠:教則 3.1.2(2)4)、3.1.2(5)、3.1.2(5)2)。

よくある質問

Q

一等と二等、どちらを取るべきですか?

第三者上空での特定飛行に対応する技能が必要なら一等、カテゴリーⅡ飛行に対応する技能で足りるなら二等、というのが教則に沿った基本整理です。実際の運航可否は、技能証明に加えて機体認証や許可・承認の有無も合わせて判断します。

Q

二等を先に取ってから一等にステップアップできますか?

一等・二等は別の資格として試験が実施されますが、いずれも16歳以上であれば申請可能です。登録講習機関のコースでも一等と二等が分かれていることが多く、段階的に学ぶ設計ができます。

Q

技能証明の有効期間は何年ですか?

一等・二等ともに3年です。更新の申請をする日以前3月以内に登録更新講習機関が実施する無人航空機更新講習を修了したうえで、有効期間が満了する日以前6月以内に国土交通大臣に対して更新を申請する必要があります。

Q

登録講習機関(ドローンスクール)を使うメリットは?

登録講習機関の無人航空機講習(学科講習・実地講習)を修了すると、技能証明試験のうち実地試験が免除されます。学科試験と身体検査は別途受験が必要です。

Q

学科試験の出題範囲は一等と二等で違いますか?

いずれも国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則」から出題されますが、一等は教則の全範囲、二等は〔一等〕マーク項目を除いた範囲が対象です。

関連する問題を解いて定着させる

読むだけでなく、教則準拠の問題を解くと知識が試験で使える形で身につきます。

✏️学科試験の問題を解く

関連する解説

出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和7年2月1日第4版)」を根拠に記述しています。最新・正確な情報は同教則および公式サイトをご確認ください。