論点解説

ドローン運航時の点検と確認事項|飛行前・飛行中・飛行後の安全確認

安全な運航は、飛ばす前の準備だけでは終わりません。教則5.1の運航時の点検及び確認事項をもとに、点検プロセスの設計、飛行前準備、飛行中の監視、運航終了後の確認までを一連の流れとして整理します。

点検プロセスを先に決める

教則では、安全に運航するために点検プロセスを定め、そのプロセスごとに点検項目を設定することが求められています。点検は思いつきで行うのではなく、あらかじめ段階ごとに管理する必要があります。

点検プロセスは、機体メーカーの指示する内容に従って実施するのが基本です。独自判断で点検項目を省略してはいけません。

根拠:教則 5.1 運航時の点検及び確認事項

飛行前の準備と最終点検

  • 必要な装置や設備を設置し、飛行に使う機材と環境を整える
  • 許可・承認、機体登録などの有効期間が切れていないかを最終確認する
  • 飛行前の点検は、機体を飛行させる前に都度行うべき最終点検として実施する

根拠:教則 5.1 運航時の点検及び確認事項

飛行中は継続監視する

飛行が始まった後も、安全確認は終わりません。飛行中の監視では、機体の状態だけでなく周囲の状況を継続的に確認します。

機体側の確認

姿勢、電池残量、警告表示、通信状態などを継続的に監視する。

周囲の確認

第三者、航空機、障害物、気象変化などを継続的に確認する。

根拠:教則 5.1 運航時の点検及び確認事項

運航終了後の確認事項

運航終了後の点検は、当日の飛行が終わったあとに行うべき点検です。安全な保管と記録まで含めて完了させます。

  1. 1無人航空機やバッテリーを安全に保管できる状態にする
  2. 2異常や破損の有無を確認し、必要なら整備や報告につなげる
  3. 3飛行日誌を作成し、運航記録を残す

根拠:教則 5.1 運航時の点検及び確認事項

試験対策での整理ポイント

  • 点検は「飛行前だけ」ではなく、事前設計、飛行中、飛行後まで連続している
  • 飛行前点検は毎回の最終確認であり、省略できない
  • メーカー指定の点検内容に従うのが基本である

飛行前点検で確認する具体項目

飛行前の点検は毎回の最終点検です。教則では、無人航空機が正常に飛行できることを確認するために、以下のような項目をチェックすることが例示されています。

点検チェックリスト(例)

  • 各機器は安全に取り付けられているか(ネジ等の脱落やゆるみがないか)
  • 発動機やモーターに異音はないか
  • 機体(プロペラ、フレーム等)に損傷やゆがみはないか
  • 燃料の搭載量又はバッテリーの充電量は十分か
  • 通信系統、推進系統、電源系統及び自動制御系統は正常に作動するか
  • 登録記号が機体に表示されているか
  • リモートID機能を有する機器を装備する場合、リモートID機能が正常に作動しているか

根拠:教則 5.1 運航時の点検及び確認事項

飛行前に確認する4つの対象

飛行前の準備・点検では、機体そのものだけでなく、操縦者・空域・気象まで含めて確認します。教則5.1(2)は、確認すべき対象を分けて整理しています。

① 無人航空機の確認

登録及び有効期間、機体認証及び有効期間並びに使用の条件(運用限界)、整備状況などを確認する。

② 操縦者の確認

技能証明の等級・限定・条件及び有効期間、操縦者の操縦能力・飛行経験・訓練状況などを確認する。

③ 飛行空域及び周囲の状況の確認

第三者の有無、地上・水上の状況、航空機や他の無人航空機の飛行状況、障害物や飛行禁止空域等の該当の有無を確認する。

④ 気象状況の確認

最新の気象情報(天気、風向、警報、注意報等)を確認する。

根拠:教則 5.1(2) 運航者がプロセスごとに行うべき点検

異常事態発生時の点検

教則の点検プロセスには、通常の飛行前・飛行中・飛行後・運航終了後の点検とは別に、異常事態発生時の点検が独立して位置づけられています。飛行中に異常事態が発生した際に確認すべき点検で、危機回避行動を行い、安全に着陸するための確認項目を確認します。

あらかじめ設定した手順等に従った危機回避行動をとり、事故発生時には直ちに飛行を中止して危険を防止する措置を取ります。通常時のプロセスと混同せず、独立した点検として整理しておきましょう。

根拠:教則 5.1 運航時の点検及び確認事項

特殊な機体・運用時の注意

ガソリンエンジンで駆動する機体

ガソリンは危険物に該当するため、乗用車等で運搬する場合は消防法で定められた22リットル以下の専用の容器で運搬しなければならない。エンジン駆動は機体の振動が大きいため、ネジ類の緩みなどを特に注意して点検する必要がある。

物件投下(ペイロード搭載)時

投下場所に補助者を配置しない場合、物件投下を行う際の高度は原則1m以内である必要がある。

根拠:教則 5.1(3)(4)

よくある質問

Q

飛行前点検は毎回必要ですか?

必要です。教則では、飛行前の点検は機体を飛行させる前に都度行うべき最終点検と整理されています。

Q

点検内容は誰が決めますか?

機体メーカーが指示する内容に従って実施するのが基本です。自分で任意に省略してよいものではありません。

Q

運航終了後に確認すべきことは何ですか?

機体とバッテリーの安全な保管、飛行日誌の作成、異常の有無の確認などです。飛行後まで含めて一連の運航管理と捉えます。

Q

飛行前点検では具体的に何を確認しますか?

ネジ等の脱落やゆるみ、発動機やモーターの異音、機体(プロペラ・フレーム等)の損傷やゆがみ、燃料搭載量またはバッテリー充電量、通信・推進・電源・自動制御の各系統の作動、登録記号の表示、リモートID機能の作動などを確認します(教則5.1)。

Q

ガソリンエンジン機の燃料はどのように運搬しますか?

ガソリンは危険物に該当するため、乗用車等で運搬する場合は消防法で定められた22リットル以下の専用の容器で運搬する必要があります(教則5.1(3))。

Q

物件投下を行うときの高度に決まりはありますか?

投下場所に補助者を配置しない場合、物件投下を行う際の高度は原則1m以内である必要があります(教則5.1(4))。

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出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和8年7月7日第5版)」を根拠に記述しています。最新・正確な情報は同教則および公式サイトをご確認ください。