論点解説

ドローン航空法違反の罰則|無登録・アルコール・無許可飛行などの罰金・懲役

無人航空機の飛行に関する航空法令の規定に違反した場合、違反行為の内容に応じて懲役や罰金の対象となる可能性があります。無登録飛行、アルコール等の影響下での飛行、飛行計画の未通報、技能証明の不携帯・飛行日誌の不備まで、教則に示された違反行為ごとの刑量を一覧で整理し、行政処分(点数制)との違いや、機体認証を受けた機体を飛行させる者の遵守事項もあわせて確認します。

罰則(刑事罰)と行政処分の違い

航空法令の規定に違反した場合には、違反行為の内容に応じて懲役又は罰金という罰則(刑事罰)の対象となる可能性があります。

罰則は違反行為そのものに科される刑事罰であるのに対し、行政処分は技能証明を有する者に対する技能証明の効力の取消し・停止等で、点数制によって運用されます。技能証明を有する者は、罰則に加えて技能証明の取消し等の行政処分の対象にもなる可能性があります。行政処分の点数制の詳細は技能証明の行政処分(点数制)の記事で解説しています。

根拠:教則 3.1.2(3)4)

違反行為ごとの罰則一覧

教則に示された、航空法令違反に対する主な罰則は次のとおりです。違反行為の内容によって、懲役・罰金の重さが異なります。

違反行為罰則
事故が発生した場合に飛行を中止し負傷者を救護するなどの危険を防止するための措置を講じなかったとき2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
登録を受けていない無人航空機を飛行させたとき1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
アルコール又は薬物の影響下で無人航空機を飛行させたとき1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
登録記号の表示又はリモートIDの搭載をせずに飛行させたとき50万円以下の罰金
規制対象となる飛行の区域又は方法に違反して飛行させたとき
飛行前の確認をせずに飛行させたとき
航空機又は他の無人航空機との衝突防止をしなかったとき
他人に迷惑を及ぼす飛行を行ったとき
機体認証で指定された使用の条件の範囲を超えて特定飛行を行ったとき 等
飛行計画を通報せずに特定飛行を行ったとき30万円以下の罰金
事故が発生した場合に報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき 等
技能証明を携帯せずに特定飛行を行ったとき10万円以下の罰金
飛行日誌を備えずに特定飛行を行ったとき
飛行日誌に記載せず、又は虚偽の記載をしたとき

懲役を伴う重い罰則は、危険防止措置の不履行・無登録飛行・アルコール等の影響下での飛行に設定されています。根拠:教則 3.1.2(3)4)

機体認証を受けた機体を飛行させる者の遵守事項

機体認証を受けた無人航空機を飛行させる者には、次の運航ルールの遵守が求められます。これらに違反すると、上表のとおり罰則の対象となる場合があります。

① 使用の条件の遵守

無人航空機の機体認証を行う場合は、無人航空機飛行規程に定めた安全性を確保するための限界事項等(最大離陸重量、飛行可能高度、飛行可能速度等)を「使用の条件」として指定し、使用条件等指定書として交付します。機体認証を受けた無人航空機を飛行させる者は、当該使用の条件の範囲内で特定飛行しなければなりません

② 必要な整備の義務

機体認証を受けた無人航空機の使用者は、必要な整備をすることにより、当該無人航空機を安全基準に適合するように維持しなければなりません。具体的には、機体認証を行う場合に設定される無人航空機整備手順書(機体メーカーの取扱説明書等)に従って整備をすることが義務付けられます。

根拠:教則 3.1.2(3)3)

学科試験で押さえるべきポイント

  1. 1危険防止措置を講じなかったときは最も重い2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
  2. 2無登録飛行は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金、アルコール・薬物の影響下は1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
  3. 3技能証明の不携帯・飛行日誌の不備は10万円以下の罰金
  4. 4技能証明を有する者は、罰則に加えて技能証明の取消し等の行政処分の対象にもなり得る

よくある質問

Q

無登録のドローンを飛行させるとどんな罰則ですか?

登録を受けていない無人航空機を飛行させたときは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金の対象となる可能性があります。登録記号の表示やリモートIDの搭載をせずに飛行させた場合は、50万円以下の罰金の対象です。

Q

アルコールや薬物の影響下で飛行させた場合の罰則は?

アルコール又は薬物の影響下で無人航空機を飛行させたときは、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金の対象となる可能性があります。

Q

罰則と行政処分は何が違いますか?

罰則は航空法令違反に対する刑事罰(懲役・罰金)です。これに対し行政処分は、技能証明を有する者に対する技能証明の取消し・効力停止等で、点数制で運用されます。技能証明を有する者は、罰則に加えて行政処分の対象にもなる可能性があります。

Q

技能証明を携帯せずに特定飛行をすると罰則がありますか?

技能証明を携帯せずに特定飛行を行ったときは、10万円以下の罰金の対象となる可能性があります。

Q

飛行日誌を備えていないと罰則の対象になりますか?

なります。飛行日誌を備えずに特定飛行を行ったとき、飛行日誌に記載せず又は虚偽の記載をしたときは、いずれも10万円以下の罰金の対象となる可能性があります。

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出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和7年2月1日第4版)」を根拠に記述しています。最新・正確な情報は同教則および公式サイトをご確認ください。