論点解説
小型無人機等飛行禁止法|航空法と別の重要施設周辺の飛行規制
ドローン(無人航空機)の飛行規制は航空法だけではありません。国会議事堂など重要施設の周辺は、「小型無人機等飛行禁止法」という別の法律で飛行が禁止されています。航空法の技能証明や飛行許可があっても飛行できない特別な領域で、学科試験では頻出の論点です。
【2026年3月24日・改正案閣議決定】
禁止区域を「おおむね1,000m」へ拡大、イエローゾーン内飛行の直罰化(6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)が予定されています(夏ごろ施行見込み)。詳細は2026年改正案の解説をご確認ください。本記事は現行教則(令和7年2月1日第4版)に準拠しており、試験対策上の正答も「おおむね300m」です。
制度の目的
小型無人機等飛行禁止法は、国会議事堂などの重要施設に対する危険を未然に防止し、国政の中枢機能等、良好な国際関係、我が国を防衛するための基盤並びに国民生活及び経済活動の基盤の維持並びに公共の安全の確保に資するため、これら重要施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上空における小型無人機等の飛行を禁止するものです。
根拠:教則 3.2(1)
航空法との違い
小型無人機等飛行禁止法は航空法とは独立した規制体系で、対象となる機器の範囲が異なります。
| 項目 | 航空法「無人航空機」 | 小型無人機等飛行禁止法「小型無人機」 |
|---|---|---|
| 重量基準 | 100g以上 | 大きさや重さにかかわらず対象(100g未満も含む) |
| 規制対象 | 空域・飛行方法等 | 重要施設周辺の上空 |
| 主管 | 国土交通省 | 警察庁 |
根拠:教則 3.2(2)
飛行禁止の対象となる機器
① 小型無人機
飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他の航空の用に供することができる機器であって、構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作または自動操縦により飛行させることができるもの。大きさや重さにかかわらず対象となり、100g未満のものも含まれます。
② 特定航空用機器
航空機以外の航空の用に供することができる機器であって、当該機器を用いて人が飛行することができるもの。気球、ハンググライダー、パラグライダー等が該当します。
根拠:教則 3.2(2)
飛行禁止の対象となる重要施設
重要施設の敷地・区域の上空(レッドゾーン)およびその周囲おおむね300mの上空(イエローゾーン)においては小型無人機等を飛行させることはできません。対象施設は次のとおりです。
- ① 国の重要な施設等:国会議事堂、内閣総理大臣官邸、最高裁判所、皇居等/危機管理行政機関の庁舎/対象政党事務所
- ② 外国公館等(外務大臣指定)
- ③ 防衛関係施設(防衛大臣指定):自衛隊施設/在日米軍施設
- ④ 空港(国土交通大臣指定):新千歳空港、成田国際空港、東京国際空港、中部国際空港、大阪国際空港、関西国際空港、福岡空港、那覇空港
- ⑤ 原子力事業所(国家公安委員会指定)
外国要人の来日等に伴い、一時的に対象施設が追加されることがあります。詳細は警察庁ホームページ等を参照。根拠:教則 3.2(3)
飛行禁止の例外
例外は次に限られており、航空法に基づく飛行の許可・承認や機体認証・技能証明を取得した場合であっても小型無人機等を飛行させることはできません。
- (a)対象施設の管理者またはその同意を得た者による飛行
- (b)土地の所有者等またはその同意を得た者が当該土地の上空において行う飛行
- (c)国または地方公共団体の業務を実施するために行う飛行
さらに、例外にあたる場合であっても、対象施設およびその周囲おおむね300mの周辺地域の上空で小型無人機等を飛行させる場合、都道府県公安委員会等へ通報しなければなりません。
根拠:教則 3.2(4)
違反に対する措置と罰則
警察官等は、違反して小型無人機等の飛行を行う者に対し、機器の退去その他の必要な措置をとることを命ずることができます。また、やむを得ない限度において、小型無人機等の飛行の妨害、破損その他の必要な措置をとることができます。
根拠:教則 3.2(5)
よくある質問
Q航空法と小型無人機等飛行禁止法は何が違うのですか?
▾
航空法は空域・飛行方法・機体登録など飛行全般の規制、小型無人機等飛行禁止法は重要施設周辺の上空を対象とした個別の飛行禁止規制です。重量100g未満のトイドローンは航空法の無人航空機登録等の対象外ですが、小型無人機等飛行禁止法の対象にはなります。
Q技能証明や飛行許可があれば重要施設上空を飛ばせますか?
▾
飛ばせません。教則では「航空法に基づく飛行の許可・承認や機体認証・技能証明を取得した場合であっても小型無人機等を飛行させることはできない」と明記されています。
Q飛行禁止の例外はありますか?
▾
以下の場合に限られます。(a)対象施設の管理者またはその同意を得た者による飛行、(b)土地の所有者等またはその同意を得た者が当該土地の上空において行う飛行、(c)国または地方公共団体の業務を実施するために行う飛行。ただしレッドゾーンでは(b)(c)でも管理者の同意が必要です。
Q例外で飛ばす場合も何か手続きが必要ですか?
▾
必要です。例外にあたる場合であっても、対象施設およびその周囲おおむね300mの周辺地域の上空で小型無人機等を飛行させる場合、都道府県公安委員会等へ通報しなければなりません。
Qレッドゾーンで違反した場合の罰則は?
▾
対象施設の敷地・区域の上空(レッドゾーン)で小型無人機等の飛行を行った者および警察官等の命令に違反した者は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
関連する問題を解いて定着させる
読むだけでなく、教則準拠の問題を解くと知識が試験で使える形で身につきます。
✏️学科試験の問題を解く関連する解説
出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和7年2月1日第4版)」を根拠に記述しています。最新・正確な情報は同教則および公式サイトをご確認ください。