制度解説

小型無人機等飛行禁止法の2026年改正案|飛行禁止区域が300m→1,000mへ拡大

小型無人機等飛行禁止法の改正法が2026年7月14日に施行されました。重要施設周辺のイエローゾーンが「おおむね300m」から「おおむね1,000m」へ拡大され、さらにイエローゾーン内の飛行そのものが処罰対象(直罰化)となりました。学科試験の根拠となる教則も同日から第5版が適用されています。改正の背景・内容と学科試験への影響を整理します。

本記事の位置づけ

本改正は2026年7月14日に施行され、学科試験の根拠となる教則第5版にも反映済みです(試験対策上の正答も「おおむね1,000m」)。基本制度は小型無人機等飛行禁止法の基本解説をご確認ください。

改正の3つのポイント

① 施行までの経緯

2026年3月24日の定例閣議にて改正案が決定され、その後国会での成立・公布を経て、2026年7月14日に施行されました。同日から、学科試験の根拠となる教則も第5版が適用されています。

② 飛行禁止区域(イエローゾーン)の拡大

対象施設の周囲「おおむね300m」から「おおむね1,000m(約1km)」へ拡大されました。時速150kmで飛行するドローンが約24秒で対象施設に到達する距離として設定されており、警戒・対処に必要な時間を確保する趣旨です。

③ イエローゾーン内飛行の直罰化

改正前は警察官等の退去命令に違反しない限りイエローゾーン内飛行そのものには罰則がありませんでした。改正後(2026年7月14日〜)は、イエローゾーン内で小型無人機等を飛行させた行為そのものが処罰対象となり、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されます。

改正の背景

2025年12月18日に警察庁の有識者会議が規制強化の方向性を報告書にまとめ、それを踏まえて改正案が立案されました。背景にはドローン性能の急速な向上と、国際的なテロ情勢の変化があります。

項目現行法制定当時(2016年頃)現在
飛行速度約50km/h70〜80km/h、海外機では150km/h級
映像伝送距離200〜300m500m〜10km
積載能力80g程度5kg〜最大30kg級

300m外側からの操縦・遠隔観測が容易になり、従来の規制範囲では警戒時間が不足するとの判断から、1,000mへの拡大が提案されました。

改正前後の比較(2026年7月14日施行)

項目改正前(〜7/13)改正後(2026年7月14日〜)
イエローゾーンの範囲対象施設の周囲おおむね300m対象施設の周囲おおむね1,000m
イエローゾーン内飛行の罰則退去命令違反時のみ処罰飛行行為そのものを直罰
(6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)
レッドゾーン(敷地上空)の罰則1年以下の懲役または50万円以下の罰金懲役→拘禁刑(刑法改正)以外の変更なし
対象機器大きさ・重さに関わらず対象(100g未満も含む)変更なし(100g未満も引き続き対象)
対象施設の種類国の重要施設/外国公館/防衛関係施設/指定空港/原子力事業所変更なし

実務への影響

  • 撮影・点検業務の見直し:都市部の案件では、対象施設から1,000m圏内に入るケースが従来の300m圏内より格段に広くなります。案件地の周辺施設マップを事前に再確認する必要があります。
  • 直罰化による運用コスト増:従来は「飛んでいても、退去命令が出たら降ろせば罰則なし」でした。改正後は命令を待たずに処罰対象となるため、事前確認の厳格化が必須になります。
  • トイドローンユーザーも対象:100g未満は航空法の無人航空機登録等の対象外ですが、本法は100g未満も対象とします。都市部でのホビー飛行には特に注意が必要です。

学科試験との関係

2026年7月14日以降の学科試験の正答は「おおむね1,000m」です。

国土交通省の教則は2026年7月14日から第5版が適用され、禁止区域「おおむね1,000m」等が反映されました。これに伴い学科試験の正答も「1,000m」となります(7月13日までの受験は第4版準拠で「300m」が正答でした)。本サイトの問題も第5版準拠で「1,000m」を正答としています。

よくある質問

Q

改正はいつから施行されますか?

改正法は2026年7月14日に施行されました。あわせて、学科試験の根拠となる国土交通省の教則も同日から第5版が適用され、禁止区域「おおむね1,000m」への拡大などが反映されています。

Q

改正後、禁止区域は正確に何メートルになりますか?

対象施設の周囲「おおむね300メートル」から「おおむね1,000メートル」へと拡大されます。時速150キロメートルで飛行するドローンが約24秒で対象施設に到達する距離を確保することで、警戒・対処に必要な時間を確保するのが趣旨です。

Q

イエローゾーンの「直罰化」とは何ですか?

改正前は、イエローゾーン(対象施設の周囲おおむね300mの上空)で飛行していても、警察官等の退去命令に違反して初めて罰則が適用されました。2026年7月14日施行の改正法では、イエローゾーンが周囲おおむね1,000mへ拡大されるとともに、命令違反を介さずにイエローゾーン内で小型無人機等を飛行させた行為そのものが処罰対象(直罰化)となり、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されます。

Q

100g未満のトイドローンも対象ですか?

対象となります。小型無人機等飛行禁止法は航空法と異なり、大きさや重さにかかわらず小型無人機等を規制対象としており、100g未満のトイドローンも改正後の1,000m規制の対象に含まれます。

Q

学科試験(一等・二等)の出題にはいつ影響しますか?

学科試験は国土交通省の「無人航空機の飛行の安全に関する教則」に準拠して出題されます。2026年7月14日から教則第5版が適用され、禁止区域は「おおむね1,000m」が正答です。7月13日までに受験した方は第4版準拠で「おおむね300m」が正答でした。本サイトの問題も第5版準拠で「1,000m」を正答としています。

出典・参考:2025年12月18日 警察庁有識者会議報告書、2026年3月24日 閣議決定 改正案関連報道。本記事は2026年7月14日施行の改正法および同日適用の教則第5版に基づきます。最新・正確な情報は同教則および警察庁・国土交通省の公式発表をご確認ください。

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出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和8年7月7日第5版)」を根拠に記述しています。最新・正確な情報は同教則および公式サイトをご確認ください。