制度解説

小型無人機等飛行禁止法の2026年改正案|飛行禁止区域が300m→1,000mへ拡大

2026年3月24日、小型無人機等飛行禁止法の改正案が閣議決定されました。重要施設周辺のイエローゾーンが「おおむね300m」から「おおむね1,000m」へ拡大され、さらにイエローゾーン内の飛行そのものが処罰対象(直罰化)となる予定です。2026年夏ごろの施行見込み。現行教則(令和7年2月1日第4版)にはまだ反映されていないため、学科試験との関係も含めて整理します。

本記事の位置づけ

本記事は現行教則に含まれない最新の法改正動向を扱います。学科試験は現行教則に準拠するため、試験対策としては小型無人機等飛行禁止法の解説記事(現行法)を優先してご確認ください。

改正の3つのポイント

① 閣議決定日

2026年3月24日の定例閣議にて、小型無人機等飛行禁止法の改正案が決定されました。公布の日から20日を経過した日から施行される予定で、2026年夏ごろの施行が見込まれています

② 飛行禁止区域(イエローゾーン)の拡大

対象施設の周囲「おおむね300m」から「おおむね1,000m(約1km)」へ拡大されます。時速150kmで飛行するドローンが約24秒で対象施設に到達する距離として設定されており、警戒・対処に必要な時間を確保する趣旨です。

③ イエローゾーン内飛行の直罰化

現行法では警察官等の退去命令に違反しない限りイエローゾーン内飛行そのものには罰則がありません。改正後は、イエローゾーン内で小型無人機等を飛行させた行為そのものが処罰対象となり、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されることとなります。

改正の背景

2025年12月18日に警察庁の有識者会議が規制強化の方向性を報告書にまとめ、それを踏まえて改正案が立案されました。背景にはドローン性能の急速な向上と、国際的なテロ情勢の変化があります。

項目現行法制定当時(2016年頃)現在
飛行速度約50km/h70〜80km/h、海外機では150km/h級
映像伝送距離200〜300m500m〜10km
積載能力80g程度5kg〜最大30kg級

300m外側からの操縦・遠隔観測が容易になり、従来の規制範囲では警戒時間が不足するとの判断から、1,000mへの拡大が提案されました。

現行法と改正案の比較

項目現行法改正案(2026年施行見込み)
イエローゾーンの範囲対象施設の周囲おおむね300m対象施設の周囲おおむね1,000m
イエローゾーン内飛行の罰則退去命令違反時のみ処罰飛行行為そのものを直罰
(6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)
レッドゾーン(敷地上空)の罰則1年以下の懲役または50万円以下の罰金改正案では変更の報道なし
対象機器大きさ・重さに関わらず対象(100g未満も含む)変更なし(100g未満も引き続き対象)
対象施設の種類国の重要施設/外国公館/防衛関係施設/指定空港/原子力事業所変更なし

実務への影響

  • 撮影・点検業務の見直し:都市部の案件では、対象施設から1,000m圏内に入るケースが現行の300m圏内より格段に広くなります。案件地の周辺施設マップを事前に再確認する必要があります。
  • 直罰化による運用コスト増:従来は「飛んでいても、退去命令が出たら降ろせば罰則なし」でした。改正後は命令を待たずに処罰対象となるため、事前確認の厳格化が必須になります。
  • トイドローンユーザーも対象:100g未満は航空法の無人航空機登録等の対象外ですが、本法は100g未満も対象とします。都市部でのホビー飛行には特に注意が必要です。

学科試験との関係

現時点(2026年4月)の試験対策上の正答は「おおむね300m」です。

国土交通省の「無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和7年2月1日第4版)」が改訂されるまでは、学科試験は現行教則に基づく出題が継続される見込みです。施行後、教則の改訂を経て試験範囲に反映される順序になります。本サイトの問題も現行教則準拠で「300m」を正答とし、教則改訂のタイミングで一斉更新します。

よくある質問

Q

改正はいつから施行されますか?

2026年3月24日に閣議決定された改正案では、公布の日から20日を経過した日から施行することとされており、2026年夏ごろの施行が見込まれています。実際の施行日は公布を待って確定します。

Q

改正後、禁止区域は正確に何メートルになりますか?

対象施設の周囲「おおむね300メートル」から「おおむね1,000メートル」へと拡大されます。時速150キロメートルで飛行するドローンが約24秒で対象施設に到達する距離を確保することで、警戒・対処に必要な時間を確保するのが趣旨です。

Q

イエローゾーンの「直罰化」とは何ですか?

現行法では、イエローゾーン(対象施設の周囲おおむね300mの上空)で飛行していても、警察官等の退去命令に違反して初めて罰則が適用されます。改正案では、この命令違反を介さずに、イエローゾーン内で小型無人機等を飛行させた行為そのものを直接罰する(直罰化)こととされ、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が予定されています。

Q

100g未満のトイドローンも対象ですか?

対象となります。小型無人機等飛行禁止法は航空法と異なり、大きさや重さにかかわらず小型無人機等を規制対象としており、100g未満のトイドローンも改正後の1,000m規制の対象に含まれます。

Q

学科試験(一等・二等)の出題にはいつ影響しますか?

学科試験は国土交通省の「無人航空機の飛行の安全に関する教則」に準拠して出題されます。2026年4月時点の最新版は令和7年2月1日第4版で、記述は「おおむね300m」のままです。教則が改訂されるまでは、試験対策上の正答は「おおむね300m」を押さえておけば十分です。本サイトの問題も現行教則に合わせて「300m」を正答としています。

出典・参考:2025年12月18日 警察庁有識者会議報告書、2026年3月24日 閣議決定 改正案関連報道。本記事は現行教則に含まれない最新動向を扱います。施行・教則改訂後の情報は同教則および警察庁・国土交通省の公式発表をご確認ください。

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出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和7年2月1日第4版)」を根拠に記述しています。最新・正確な情報は同教則および公式サイトをご確認ください。