論点解説

ドローンの目視外飛行の要件|「目視」の定義と規制対象になる飛行

ドローン(無人航空機)は「目視による常時監視」を原則として飛行させる必要があり、これを欠く飛行は規制対象の「目視外飛行」に該当します。ドローン学科試験では「目視」の定義と規制対象の関係が頻出論点です。教則の定義に沿って正確に整理します。

「目視により常時監視」とは

ドローン(無人航空機)の操縦者は、当該機およびその周囲の状況を目視により常時監視して飛行させることが原則とされ、それ以外の飛行の方法(目視外飛行)は、航空法に基づく規制の対象となります。

「目視により常時監視」とは、飛行させる者が自分の目で見ることを指します。

根拠:教則 3.1.2(2)2)b.②、3.1.2(2)3)b.

「目視」に含まれるもの/含まれないもの

✅ 目視に含まれる

  • ・裸眼で見ること
  • ・眼鏡・コンタクトレンズを使用した視認
  • ・バッテリー残量確認等で一時的にモニターを確認する等

❌ 目視に含まれない

  • ・双眼鏡による監視
  • ・モニター(FPVを含む)による監視
  • ・補助者による監視

根拠:教則 3.1.2(2)3)b.

目視外飛行とカテゴリー分類

目視外飛行は、特定飛行の一つとして規制対象となります。立入管理措置の有無や飛行場所によって、対応するカテゴリーとレベルが変わります。

レベル3(カテゴリーⅡ飛行)

無人地帯での目視外飛行。立入管理措置を講じて行う。

レベル3.5(カテゴリーⅡ飛行)

機上カメラで無人地帯を確認し、移動中の車両等の上空を一時的に横断する飛行。技能証明・保険加入が要件。

レベル4(カテゴリーⅢ飛行)

有人地帯での目視外飛行。立入管理措置を講じずに行う最もリスクの高い飛行。一等無人航空機操縦士+第一種機体認証+運航管理の許可・承認が必須。

根拠:教則 3.1.2(2)3)

目視外飛行に必要な装備

目視外飛行では、機体の状況や障害物、他の航空機等の周囲の状況を直接肉眼で確認できません。そのため、機体に設置されたカメラや機体の位置・速度・異常等の状態を把握できる装備が必要になります(教則 4.2)。

補助者を配置する場合の装備

  • 自動操縦システムおよび機体外の様子が監視できる機体
  • 搭載カメラや機体の高度・速度・位置・不具合状況等を地上で監視できる操縦装置
  • 不具合発生時に対応する危機回避機能(フェールセーフ機能)

補助者を配置しない場合に追加で必要な装備

  • 航空機からの視認性を高める灯火・塗色
  • 機体や地上に設置されたカメラ等により飛行経路全体の航空機の状況が常に確認できるもの
  • 第三者に危害を加えないことを、製造事業者等が証明した機能
  • 機体の針路・姿勢・高度・速度および周辺の気象状況等を把握できる操縦装置
  • 計画上の飛行経路と飛行中の機体の位置の差を把握できる操縦装置

根拠:教則 4.2(2)

夜間飛行との組み合わせに注意

夜間飛行においては、目視外飛行は実施せず、機体の向きを視認できる灯火等が装備できる機体を使用し、機体の灯火が容易に認識できる範囲の飛行に限定する、と教則に明記されています。

根拠:教則 6.1.5

よくある質問

Q

FPV(ファーストパーソンビュー)で飛ばすのは目視飛行に含まれますか?

含まれません。教則では「目視により常時監視」とは飛行させる者が自分の目で見ることを指し、双眼鏡やモニター(FPVを含む)による監視、補助者による監視は「目視」に含まれないと明記されています。FPV飛行は目視外飛行として規制対象となります。

Q

眼鏡やコンタクトレンズをして飛ばすと目視外になりますか?

なりません。眼鏡やコンタクトレンズの使用は「目視」に含まれます。

Q

バッテリー残量を見るためにモニターを見たら目視外になりますか?

なりません。教則では、安全な飛行を行うためにバッテリー残量を確認する目的等で無人航空機から一時的に目を離し、モニターを確認する等は目視飛行の範囲内とされています。

Q

補助者がいれば操縦者は目視外でもよいのですか?

補助者による監視は「目視」に含まれないため、操縦者自身が目視できていなければ目視外飛行に該当します。ただし、目視外飛行を行う場合、補助者の配置によって運航の安全性が高まることから、補助者を配置しない場合は追加の装備要件が課されます。

関連する問題を解いて定着させる

読むだけでなく、教則準拠の問題を解くと知識が試験で使える形で身につきます。

✏️学習を始める
みんなの累計回答数
2,070

関連する解説

出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和7年2月1日第4版)」を根拠に記述しています。最新・正確な情報は同教則および公式サイトをご確認ください。