論点解説

ドローンにおける「第三者」「第三者上空」の定義|直接関与者・間接関与者とは

「第三者」「第三者上空」はドローン(無人航空機)規制の出発点となる基礎概念で、30m以内の飛行・カテゴリー分類・立入管理措置など多くのルールがこの定義に依存しています。令和7年2月改訂で定義が見直されており、ドローン学科試験では頻出論点です。教則の最新定義に沿って正確に整理します。

「第三者」の基本定義

「第三者」とは、無人航空機の飛行に直接的または間接的に関与していない者をいう。

この定義が重要なのは、30m以内飛行・催し場所上空・立入管理措置・第三者上空飛行といった規制がすべて「第三者」を対象にしているためです。関与者か否かの判断が、飛行がカテゴリーⅠ〜Ⅲのどれに該当するかに直結します。

根拠:教則 3.1.2(2)4)a.(1)

第三者から除外される人

次の2類型に該当する者は第三者に含まれません。

① 直接関与者

飛行の安全確保に必要な要員:

  • ・操縦者
  • ・現に操縦はしていないが操縦する可能性のある者
  • ・補助者

② 間接関与者

飛行目的について操縦者と共通の認識を持ち、次のすべてに該当する者:

  • a. 操縦者が、飛行目的の全部または一部に関与していると判断している
  • b. 操縦者から、計画外の挙動時に従うべき明確な指示と安全上の注意を受けており、当該指示に従うことが期待される(操縦者は指示が適切に理解されていることを確認する必要がある)
  • c. 飛行目的の全部または一部に関与するかを自ら決定することができる

例:映画の空撮における俳優やスタッフ、学校等での人文字の空撮における生徒 等

根拠:教則 3.1.2(2)4)a.(1)

「第三者上空」の定義

「第三者上空」とは、第三者の上空を指し、当該第三者が乗り込んでいる移動中の車両等(自動車、鉄道車両、軌道車両、船舶、航空機、建設機械、港湾のクレーン等)の上空を含みます。

ここでの「上空」は直上だけでなく、飛行させるドローンの落下距離(飛行範囲の外周から製造者等が保証した落下距離)を踏まえ、落下する可能性のある領域に第三者が存在する場合は当該第三者の上空にあるものとみなされます。

根拠:教則 3.1.2(2)4)a.(2)

第三者上空とみなされないケース

飛行終了までの間、第三者の態様(状況)および飛行形態が以下のいずれかに該当する場合、ドローンが第三者上空にあるとはみなされません。

① 遮蔽物に覆われ、衝突時に保護される状況

第三者が遮蔽物に覆われており、ドローンが当該遮蔽物に衝突した際に保護される状況にある場合。例:屋内、または移動中でない車両等の内部にいる場合。

② 移動中の車両等の上空をレベル3.5飛行で一時横断

第三者が移動中の車両等(衝突時に第三者が保護される状況の場合に限る)の中にある場合であって、必要な要件を満たしたうえでレベル3.5飛行として一時的に当該移動中の車両等の上空を飛行するとき。

ただし、第三者が遮蔽物に覆われず、ドローンの衝突から保護されていない状況になった場合には、ドローンが「第三者上空」にあるとみなされる点に留意する必要があります。

根拠:教則 3.1.2(2)4)a.(2)

第三者上空とカテゴリー分類

特定飛行のうち立入管理措置を講じないで行うもの、すなわち「第三者上空における特定飛行」がカテゴリーⅢ飛行です。カテゴリーⅢの実施には一等無人航空機操縦士の技能証明、第一種機体認証、運航管理の許可・承認が必要となるため、「第三者」「第三者上空」の定義はカテゴリー判定の核となります。

根拠:教則 3.1.2(2)3)c.

よくある質問

Q

補助者は「第三者」に含まれますか?

含まれません。補助者は「直接関与者」として、操縦者や操縦する可能性のある者とともに第三者から除外されます。

Q

映画撮影の俳優やスタッフは「第三者」ですか?

飛行目的について操縦者と共通の認識を持ち、計画外の挙動時の指示・安全上の注意を受け、関与を自ら決定できる場合は「間接関与者」として第三者から除外されます。教則では映画の空撮における俳優やスタッフ、学校での人文字撮影における生徒が間接関与者の例として挙げられています。

Q

屋内にいる人の上空は「第三者上空」ですか?

該当しません。第三者が遮蔽物に覆われており、当該遮蔽物にドローンが衝突した際に保護される状況にある場合(屋内や停止中の車両等の内部にある場合など)、ドローンが第三者上空にあるとはみなされません。

Q

移動中の車両の上空を通過するのは第三者上空ですか?

原則として該当しますが、必要な要件を満たしたうえでレベル3.5飛行として一時的に当該移動中の車両等の上空を飛行する場合は、第三者上空にあるとはみなされません。

Q

「第三者の直上」でなければ第三者上空ではない?

直上だけではありません。教則は、「上空」とは第三者の直上だけでなく、飛行させるドローンの落下距離(飛行範囲の外周から製造者等が保証した落下距離)を踏まえ、落下する可能性のある領域に第三者が存在する場合は当該第三者の上空にあるものとみなすと定めています。

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出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和7年2月1日第4版)」を根拠に記述しています。最新・正確な情報は同教則および公式サイトをご確認ください。