論点解説
ドローンの安全な飛行の確保|飛行計画・現地調査・機体点検・気象
ドローン(無人航空機)の事故は、飛行前の準備不足が直接的・間接的な原因となっていることが多く、事前準備が安全確保の中心になります。飛行計画・現地調査・機体点検・気象情報の収集から飛行中・飛行後までの準備を教則に沿って整理します。
飛行計画の作成
教則は、飛行計画の作成について次の4点を求めています。
- ①無人航空機の性能、操縦者や補助者の経験や能力などを考慮して無理のない計画を立てる
- ②近所や飛行経験のある場所を飛行する場合でも、必ず計画を立てる
- ③何かあった場合の対策を考えておく(緊急着陸地点や安全にホバリング・旋回ができる場所の設定等)
- ④計画はドローン情報基盤システム(飛行計画通報機能。本記事では実務上の呼称として DIPS2.0 も併記)に事前に通報する(困難な場合は事後通報も可)
根拠:教則 2.2
飛行予定地域や周辺施設の調査
飛行予定地域について、次の項目を調査します。
- ◆日出や日没の時刻等
- ◆標高(海抜高度)、障害物の位置、目標物等
- ◆離着陸する場所の状況等
- ◆地上の歩行者や自動車の通行、有人航空機の飛行などの状況等
また、地域情報として緊急用務空域や飛行自粛要請空域の情報、地方公共団体の条例や規則・立入禁止区域の情報も収集する必要があります。根拠:教則 2.2
機体の点検と気象情報の収集
機体の点検
飛行前には必ず機体の点検を行い、気になるところがあれば必ず整備をしてから飛行を開始します。
気象情報の収集
飛行前に、最新の気象情報(天気、風向、警報、注意報等)を収集します。
連絡体制の確保
携帯電話(通話可能範囲を確認)等により関係機関(空港事務所等)と常に連絡がとれる体制を確保します。
根拠:教則 2.2
服装と体調管理
服装に対する注意
- ・動きやすいもの
- ・素肌(頭部を含む)の露出の少ないもの
- ・無人航空機の飛行関係者と容易にわかる服装
- ・必要に応じヘルメットや保護メガネなど
体調管理
- ・体調が悪い場合は飛行しない
- ・前日に十分な睡眠を取る
- ・睡眠不足や疲労蓄積での操縦を避ける
- ・アルコール等の摂取に関する注意事項を守る
根拠:教則 2.2
技能証明書等の携帯
- ◆許可書または承認書の原本または写し(口頭により許可等を受け、まだ許可書等の交付を受けていない場合は、許可等の年月および番号を回答できるようにしておく)
- ◆技能証明書(技能証明を受けている場合に限る)
- ◆飛行日誌
根拠:教則 2.2
飛行中・飛行後の注意
飛行中
- ◆無理をしない:天候悪化の兆しがあれば即帰還または緊急着陸
- ◆監視の実施:衝突防止装置を過信せず、鳥等にも注意。周囲の監視が最大の安全対策
- ◆ルールを守る:法令・条例以外に、地域特有のルールやマナーも遵守
飛行後
- ◆飛行後の点検:機体に不具合がないか点検し、使用後の手入れをする
- ◆適切な保管:機体やバッテリー等を安全な状態で、適切な場所に保管
- ◆飛行日誌の作成:特定飛行時は飛行記録・日常点検記録・点検整備記録を遅滞なく記載
根拠:教則 2.2
よくある質問
Q近所や経験のある場所でも飛行計画は必要ですか?
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必要です。教則では「近所を飛行するときや飛行経験のある場所を飛行する場合でも、必ず計画を立てる」と明記されています。
Q特定飛行時に携帯すべきものは何ですか?
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①許可書または承認書の原本または写し(口頭による許可の場合は許可等の年月・番号を回答できるようにしておく)、②技能証明書(技能証明を受けている場合に限る)、③飛行日誌の3点を携行する必要があります。
Q飛行予定地域の調査で確認すべきことは?
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①日出や日没の時刻等、②標高(海抜高度)、障害物の位置、目標物等、③離着陸する場所の状況等、④地上の歩行者や自動車の通行、有人航空機の飛行などの状況等を調査します。
Q飛行中の監視で注意すべきことは?
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衝突防止装置を過信せず、鳥等にも注意を要します。周囲の監視が最大の安全対策であり、補助者を配置する場合には情報の共有の方法についても事前に確認し、状況把握における誤解や伝達の遅れがないよう配慮する必要があります。
関連する問題を解いて定着させる
読むだけでなく、教則準拠の問題を解くと知識が試験で使える形で身につきます。
✏️学科試験の問題を解く関連する解説
出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和7年2月1日第4版)」を根拠に記述しています。最新・正確な情報は同教則および公式サイトをご確認ください。