論点解説

ドローンの飛行禁止空域|空港周辺・150m以上・人口集中地区

ドローン(無人航空機)の飛行は、航空法で4つの空域が規制対象(特定飛行)と定められています。本記事では、空港等の周辺・緊急用務空域・150m以上・人口集中地区という4区分のうち、空港周辺・150m以上・人口集中地区を中心に、定義と注意点をドローン学科試験の論点に即して教則に沿って整理します。

4つの飛行禁止空域の全体像

航空法上、特定飛行に該当する4つの空域は次のとおりです。

区分内容
A空港等の周辺の上空の空域
B緊急用務空域
C地表または水面から150メートル以上の高さの空域
D人口集中地区(DID)の上空

本記事ではA・C・Dを中心に解説します。Bは緊急用務空域の記事で詳解。根拠:教則 3.1.2(2)1)、3.1.2(2)2)

A. 空港等の周辺の空域

航空法に基づき原則として無人航空機の飛行が禁止されている「空港等の周辺の空域」は、空港やヘリポート等の周辺に設定されている進入表面、転移表面若しくは水平表面または延長進入表面、円錐表面若しくは外側水平表面の上空の空域、および進入表面等がない飛行場周辺で、航空機の離陸および着陸の安全を確保するために必要なものとして国土交通大臣が告示で定める空域です。

主要8空港では禁止空域がさらに拡張:新千歳・成田国際・東京国際・中部国際・関西国際・大阪国際・福岡・那覇の8空港では、進入表面等の上空に加え、進入表面若しくは転移表面の下の空域または空港の敷地の上空の空域も飛行禁止空域となります。

根拠:教則 3.1.2(2)1)a.

C. 高度150メートル以上の空域

「高度150メートル以上の飛行禁止空域」とは、海抜高度ではなく、無人航空機が飛行している直下の地表または水面からの高度差が150メートル以上の空域を指します。

山岳部などの起伏の激しい地形の上空で無人航空機を飛行させる場合には、意図せず150メートル以上の高度差になるおそれがあるので注意が必要です。

根拠:教則 3.1.2(2)1)c.

D. 人口集中地区(DID)

「人口集中地区(DID:Densely Inhabited District)」は、5年毎に実施される国勢調査の結果から一定の基準により設定される地域です。現在は令和2年の国勢調査の結果に基づく人口集中地区が適用されています。

根拠:教則 3.1.2(2)1)d.

飛行禁止空域を飛行する場合

無人航空機がこれらの禁止空域を飛行する場合には、当該空域を管轄する航空交通管制機関と調整し支障の有無を確認したうえで飛行の許可を受ける必要があります。そのうえで、操縦者は次の航空機の空域の特徴や注意点を十分に理解して慎重に飛行し、航空交通管制機関等の指示等を遵守する必要があります。

  • 航空交通管制区:地表または水面から200m以上の高さの空域のうち国が指定した空域。計器飛行方式により飛行する航空機は管制機関と常時連絡を取り、指示に従う必要あり
  • 航空交通管制圏:航空機の離着陸が頻繁に実施される空港等およびその周辺の空域。全ての航空機が管制機関と連絡を取り、指示に従う必要あり

根拠:教則 3.1.2 航空機の運航ルール等

他の規制との関係

飛行禁止空域の飛行許可を取得していても、緊急用務空域が指定された場合はそこを飛行することはできません。また、小型無人機等飛行禁止法の対象となる重要施設周辺も、航空法の許可・承認や機体認証・技能証明を取得していても飛行できない別系統の規制です。

よくある質問

Q

高度150mは海抜で測るのですか?

海抜ではありません。「高度150メートル以上の飛行禁止空域」は、海抜高度ではなく、無人航空機が飛行している直下の地表または水面からの高度差が150メートル以上の空域を指します。山岳部などの起伏の激しい地形の上空では、意図せず150m以上の高度差になるおそれがあるため注意が必要です。

Q

人口集中地区(DID)の設定は何で決まりますか?

「人口集中地区(DID:Densely Inhabited District)」は、5年毎に実施される国勢調査の結果から一定の基準により設定される地域で、現在は令和2年の国勢調査の結果に基づく人口集中地区が適用されています。

Q

主要空港の空港等の周辺の空域はどこまで広いですか?

原則として進入表面、転移表面、水平表面または延長進入表面、円錐表面、外側水平表面の上空の空域です。ただし、新千歳・成田国際・東京国際・中部国際・関西国際・大阪国際・福岡・那覇の8空港では、進入表面等の上空に加え、進入表面・転移表面の下の空域や空港の敷地の上空も飛行禁止空域となります。

Q

飛行禁止空域で飛ばすにはどうすればよいですか?

当該空域を管轄する航空交通管制機関と調整し支障の有無を確認したうえで飛行の許可を受ける必要があります。ただし緊急用務空域については、他の飛行許可があっても飛行できません。

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読むだけでなく、教則準拠の問題を解くと知識が試験で使える形で身につきます。

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関連する解説

出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和7年2月1日第4版)」を根拠に記述しています。最新・正確な情報は同教則および公式サイトをご確認ください。